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GISパラダイム


第一回 地理情報システムは地図システムとどう違うのか

 地理情報システム(GIS:Geographic Information System)というのは、端的に言えば 「高精度なベクター地形図データ上の、コンピューター処理による空間情報の分析手法」 と言えます。
 地図あるいは地形図の歴史は古く、有史以前から地図はその時々において高度な専門技術 でした。ギリシャのエラトステネスやローマ時代のプトレマイオスに見られるような世界図は、 その当時の文化水準の最高の指標といえます。
 我が国でも戦国時代の「絵図」は、合戦の生死を決定する要因ともいえました。
 地図はごく最近まで、「紙に描かれたもの」であり、現今の言葉でいえば「画像を印刷したもの」 でした。地図は特殊技能を持ったアルチザン=職人の著作物であり、芸術作品でもあったのです。
 地理情報システムは「空間の分析手法」の、分析=解析に力点を置いた<手法>であり、 出力結果としての「地図」は人手による旧来の地図に遥かに及びません。 勿論、究極の目的の一つに「美しい地図」しかも、人手による旧来の地図を凌駕する、ということも あります。ただ、この目的については、広い意味で地図を扱う全てのシステムが目指しているもので、 地理情報システムでは、とりあえず棚上げされている、と言ったほうが適切でしょう。
 地理情報システムの本質が「空間の<分析手法>」ということから、 「地図を扱っているのではなく、(分析の対象となり得るオブジェクトとしての)地形図データを 対象としている」 ことがでてきます。また、分析=解析からは、<演算・加工することによって新しい対象が生成 される> 「ベクターでなければならない」 ことが導かれます。「ベクターである」とは、「特定できる座標を持ち、繋がりや距離が定められ、 接続関係や隣接関係に必要な、交点や包含関係が決定できる」つまりは 「背後にトポロジー構造を蔵している」ことに他なりません。
 空間の分析、空間の解析となると、コンピューター処理は不可欠です。地理情報システムは 高速の演算処理装置(CPU)、大容量の記憶装置(ハードディスク)により、初めて可能になった 技術です。また、本質が「空間の分析手法」ということから、これまでの、どの技術にもまして、 技法=ソフトウェアが強調=重要視されなければなりません。
 この技法が「計算幾何学」であり、その中心にあるのが「トポロジー」です。 <線と面、面と面、線から面へ> というテーゼで括られるトポロジーこそ、地理情報システムを成り立たせている核心といえます。



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