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GISパラダイム


第二回 GISの手法にはどんなものがあるか

 GISは「空間の分析手法」とは言え、GIS固有あるいはGISらしい手法というと、驚く程 少なくなります。これは、GISが「公共での利用」つまりは、市場原理にさらされない「非競争 的な」利用に限られていて、かってのCG(コンピューターグラフィックス)、AI(人工知能)や 昨今のITと同様、実用に供される応用が極めて少ないことに起因しています。
 GISの理論あるいは解析手法でよく挙げられるのは、「バッファ生成」、「ボロノイ分割」、 「ポリゴンオーバレイ」で、あと「ネットワーク」位でしょう。
 「ネットワーク」は地点を抽象化したノードと、地点間を結ぶルート をアークとして、ノード/アークの位置関係から種々の解析を行うもので、物流や輸送問題では 中心的な手法です。ネットワーク理論は、グラフ理論や組合せ理論、位置解析と組み合わされ、 理論的にも応用面でもGISを超えた広大な領域を形成しています。
 GISとネットワークの関わりは古く、初期の都市解析では中心的な役割を果たしましたが、 メッシュ法が中心になるにつれ下火になり、「GISとはトポロジーである」という標語と共に、 最近またリバイバルしてきました。
 「ボロノイ分割」とは、n個の点が与えられた時、それぞれの 代表点(母点と呼びます)を1つ含むn個の領域に分けて、どの領域内でも母点がn個の点の中 で最短になっているようにする、ものです。母点を結んだネットをドロネー網と呼びます。
 ボロノイ図は理論的にコンパクトで数学的に扱い易いため、大抵の「計算幾何学」の教科書の大半 を占めていますが、理論偏重型の代表とも言え、実際面での応用はあまり見出されていません。
 「バッファ」とは、緩衝地帯・縁線ということで、例えていえば、 幅員が一定の道路は道路中心線のバッファとなります。バッファには点のバッファ、線のバッファ、 面のバッファがあります。点のバッファは点を中心とする円、線のバッファは線の左右に縁線を とった図形で「面」になります。面のバッファは面の「外側」に取った縁線図形です。
 バッファには環境面から重要な応用があります。高速鉄道や道路の敷設では、騒音や環境汚染の 度合いを、鉄道や道路からの距離で計画する必要があります。特に生態系への影響が心配される 森林地帯や、都市部の人口密集地での敷設計画には不可欠と言えます。
 「ポリゴンオーバレイ」というのは、属性を持ったポリゴン群の 間での論理和・論理積を求めるものです。ポリゴン群には、用途地域地区や、防火地域、高度地区 あるいは日影規制のような各種の規制データがあります。
 ポリゴンオーバレイをうまく使えば、複数の属性を持ったポリゴン群の「串刺し」つまり、 指定地点が「第二種住居地域で建ぺい60%、容積率300%、日影規制値が4−2.5、準防火 地域で第三種高度地区」である、といったことが容易に求められます。
 また、逆に「容積率が500%以上の商業地域」を探し出して色塗りする、といったことも ポリゴンオーバレイの得意とするところです。



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