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第四回 日影分布予想図

 影響日影の評価は「影響を与える=加害者」の立場と、「影響を被る=被害者」の立場では、当然 視点は異なります。法規制は中高層の建物を主対象としていて、「影響を与える=加害者」の立場 からの評価となります。「影響を被る=被害者」の立場から見て、意外と見落とされているのは、 中高層の建物の影響ではなく、近隣の3、4階建て家屋の影響です。
 高層建物は、確かに周辺の広範囲に日影を及ぼしますが、「等時間日影の規制」をクリアしている ため、影響する時間は短くなっています。3階程度の家屋は日影規制の対象とならず、近接住宅に 致命的な影響を与えている場合が多々あります。
 日影分布予想図は、「影響を与える」立場と「影響を被る」立場の双方に、年間を通じた全日照の 中で、日影の割合および致命度合を客観的に評価する手段を提供するものです。この時、新しく建築 された建物による影響日影は、既存の環境に付加される日影で検討されなければなりません。


 日影分布予想図は、上図のように横軸に1月から12月までの日付をとり、縦軸にまず日出・日没 時刻により、年間を通じた全日照を示します。この日照の中で、影響を被る建物に対する影響を与える 建物の日影分布を図示するものです。図で赤が主たる影響建物の日影、緑が既存の周辺建物による 日影、そして水色がオーバーラップする日影です。
 まず「影響を与える」立場から、日影分布予想図の使い方を見てみましょう。計画敷地のH/2H 縁線にかかる既存家屋に対し、一軒毎に日影分布予想図を作成します。この時、既存の周辺建物の 日影も同時に計算されますので、計画建物により付加される日影が明確になります。この図により 周辺住民への説得力ある説明が可能になるでしょう。
 次に、「影響を被る」立場からの有用な使い方を示します。密集した住宅地域等では、日影規制の 対象から外れた、致命的な日影が多く見られるのは、先に述べた通りです。とはいえ、既存の環境が 当分変わらないなら、その中で日照をうまく取り込む工夫が大切です。家屋を新築する時、あるいは 増改築する時、建物の高さをどれ位にすれば十分な日照が得られるか、日照を多く取りたい窓をどの 位置に置くか、さまざまな条件で模擬が可能です。
 日影分布予想図は一般に、家屋の一部にでも影がかかれば日影とみなす、部分日影で表示します。 日照の状態を詳細に調査しようと思えば、建物を複数ブロックと見立て、それぞれを対象として、 複数枚の日影分布予想図を作成すれば、精度の高い情報が得られます。



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